Gressive Off style Magazine Vol.36 Fossil 現地レポートで分かったスイス メイド ムーブメントの実力

丁寧に作り、丁寧に仕上げた使い勝手の良いムーブメント

 フォッシル グループでは、時計の品質レベルを高めるために、2002年からスイスにある3つの時計会社を傘下に収めている。

 デザインや研究開発を行うアンティマ社、時計のケースやパーツを製造するスイス・テクノロジー・コンポーネンツ社。そして今回取材するのが、自動巻きムーブメントを製造するスイス・テクノロジー・プロダクション社(STP)だ。

 同社はイタリアと国境を接するスイス南部ティチーノ州マンノにある工業団地の一角に拠点を構えており、2012年にフォッシル グループの傘下に収まった。

 STPの生産能力は高く、2014年は約13万個の自動巻きムーブメントの製造を予定しており、なんと2015年には20万個へと増産体制を進めるという。

 現在、主力として製造している自動巻きムーブメントがCal.STP1-11。世界で最も使用されるセンターセコンド式3針ムーブメントETA製Cal.2824の代替機として開発された。

 しかも基本能力をブラッシュアップしているのが特徴だ。

 例えばパワーリザーブ。Cal.2824の36時間に対して、Cal.STP1-11は44時間を確保。さらに精度チェックもCal.2824は2ポジションのみに対して、Cal.STP1-11では5ポジションで調整を行う。

 しかも美観にも力を入れており、地板やブリッジにはコート・ド・ジュネーブとペルラージュ仕上げを施している。こういった細部へのこだわりも、自社ムーブメントを採用するメリットだ。

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