時計進化の歴史は、精度との戦いだった。様々な機構や素材が開発されるのは、"正しい時刻を表示したい!"という純粋な想いが根底にあったからだ。
1969年に生まれたクォーツ式ムーブメントは、水晶振動子が割り出した正確なタイミングでモーターを回転させて針を動かすため、機械式ムーブメントに比べると圧倒的に高精度だが、それでも多少の誤差は生じてしまう。
そこで考案されたのが、基地局から発信される標準電波を時計側でキャッチし、自動的に時刻修正を行う技術。電波ウォッチに対応する基地局は世界に6か所あり(2012年現在)、原子時計などで算出された正確な時刻情報(タイムコード)を、電波に乗せて発信している。
電波受信機能を持つ腕時計が実用化されたのは、1990年のドイツ。その後日本でも研究開発が進んだ。
カシオでは2001年に日本国内の2つの電波基地局に対応した「WVA-300」を発売し、現在では業界最多となる世界6局対応「マルチバンド6」にまで熟成が進んだ。
2001年に発売されたカシオ初の電波ソーラーウォッチ「WVA-300」は、光発電によって時計を駆動させる実用性も魅力。デュアルタイムやカレンダーをデジタルで表示させるので、多機能でも視認性に優れていた。
2004年に発売された「OCW-500」は、世界初の"フルメタル×多機能クロノグラフ×電波受信機能"。常に技術革新を目指すカシオらしいモデルで、高級感と実用性を高次元で融合させている。現行モデルの始祖的存在である。
現在腕時計にて使用している標準電波の発信局は世界に6か所。国土が細長い日本は、福島と九州に基地局を設置する。更に中国、アメリカ、ドイツ、イギリスの基地局を利用することで、主要国の都市はほとんどカバーできるようになった。海外出張の際にも便利に使えるため、ビジネスウォッチとしても最強のポテンシャルを秘める。