電波受信機能の核をなすのは、時計内部に搭載されるアンテナ。電波ウォッチの進化の歴史は、アンテナの性能向上とともにあった。
電波受信機能の黎明期は、受信感度を稼ぐためにアンテナ部分のみを文字盤上に露出さたこともあった。さらにケースサイドにプラスティックカバーを付け、その内部にアンテナを収納していたモデルも存在した。しかしこのようなデザインは、ともするとガジェット的に見えてしまい高級感を損ねてしまう。
そこで各メーカーが力を入れたのが、ケースのフルメタル化。アンテナを素材から見直して感度を向上させることで、メタルケースによる多少のロスを許容できるようにしたため、高級感のあるメタルケース電波ウォッチが数多く生まれている。
ちなみにカシオでは、衝撃によって針ずれした場合も正しい針位置に自動的に修正する機能や光発電「タフソーラー」も、電波時計と組み合わせて使用する。
これらは正確無比な時刻調整機能の実力を、いかんなく発揮させるためのサポート技術といえるだろう。
アンテナは時計モジュールの中でもかなり大きなスペースを占めるため、小型化しつつ感度も高めなくてはいけない。高感度と安定した電波受信の実現のため、アモルファス金属を薄く重ねてアンテナを作っている。
電波受信機能も電池が切れたら無意味だ。そこでカシオでは光発電「タフソーラー」の技術向上にも余念がない。ソーラーセルに光を受けて発電し、二次電池に貯めて使用するため、大型の針や多くのモーターも駆動できる。
電波を受信するたびに時刻修正を行う電波ウォッチだが、衝撃などで針ずれが生じてしまうと、正しい時刻を示せなくなる。そこでカシオでは、歯車の一部に穴を開け、決まった時間に光を通して針ずれをチェックする。この際にもし光が貫通しない場合は、正しい位置まで歯車を回して、正確な針位置まで移動してくれるのだ。